1973年の創業以来、中部公営事業は水にかかわる多種多様な施設の保守点検を行ってきましたが、その業務を通じて、水環境の保全に貢献してきたと自負しております。
これまで国や自治体は公共下水道の整備拡大により生活環境の向上を目指してきたと思います。実際に下水道事業が汚水処理の根幹であることは間違い無く、地域によってバラツキがありますが、平成27年3月末現在、人口比で約78%の人が下水道を使用しており、現在も拡大を続けています。国は最終的に下水道100%普及を目指していたと思いますが、下水道が供用できていない場所は、大抵の場合人口がまばらなため、費用対効果が上がらず、地方財政が厳しい現状を考えると、闇雲に下水道を推進したくとも、その内限界は来ます。ましてや、国のかなりの場所で人口が減少する時代を迎え、この先過疎化の進行が懸念される地方では、老朽化しつつある設備の更新にも費用がかかるため、下水道事業の運営は厳しさを増すと思われます。
そんな中、特に過疎地において経済的に好適で、近年処理性能が格段に進歩している合併浄化槽の活用を考える自治体も増えつつあるようです。
私がこの仕事を始めた頃と比較すると、技術の進歩により、設備は随分様変わりしています。汚れた水を綺麗にするのに技術者の腕がものを言う時代は終わり、設備や制御系の進歩により技術者が介入できる部分は減っていて、大部分は設備が自動的に作業を行って水を綺麗にしてくれます。
しかしながら、設置された設備が実情に合わない時やトラブルが発生した場合には、昔とは逆に対処が難しい場合が多く、アナログな時代が懐かしくなることもあります。
我々は、水環境の保全を第一と考えますので、浄化槽に固執することなく、水を綺麗にする全ての設備について、仕事の対象としていくことに変わりはありません。どのような設備であっても対応出来るように、常に向上心を持って業務にあたり、信頼を損なわないように努力してまいる所存です。
闇雲に利益の追求とスケールアップを図ることなく、身の丈にあった経営を行い、技術者集団であるという自覚を持って水環境の保全という使命を全うすることで、社会への貢献を行います。